第4世代Ryzen 5000『Zen3』は11月5日発売。最新情報まとめ
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2020年期待のCPUでもある『Zen3』こと、第4世代 Ryzenシリーズですが、AMDの四半期決算にて『開発は順調に進捗中で2020年内に発売する』と発表がありました。ここでは、海外のリーク情報などで挙がっている第4世代Ryzen『Zen3』の情報をまとめて紹介します。
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https://gazlog.com/entry/zen3ryzenrumorscentral
Ryzen『Zen3』の最新情報一覧
11月25日:Ryzen 5000にPrecision Boost Overdrive 『2』が登場へ
11月15日:Ryzen 5700Uのベンチマーク判明
11月11日:Ryzen 5000シリーズは300シリーズマザボで動作可能
11月8日:『Zen3』世代EPYC CPUのベンチマーク出現
11月4日:Ryzen 5 5600Xの性能はRyzen 7 3700Xに迫る
10月28日:Ryzen 5950X、Passmarkシングルコア性能で1位獲得
10月21日:Ryzen 5000UのAPUラインアップと詳細判明
10月17日:Ryzen 5600 無印は2万円台から登場か?
10月9日:Zen3発表
『Zen3』の発表内容の詳細について、以下の記事をご確認ください。
10月5日:Zen3のシングルコア性能は25%向上
10月3日:Zen3やRDNA2搭載APUのスペック判明
9月29日:Ryzen 5700X (3800X後継)のベンチマーク出現
9月23日:6nm『Zen3』+『RDNA2』搭載APUの存在浮上
9月17日:『Zen3』Ryzen 9 5900Xは12コア、7 5800Xは8コア
9月10日:『公式』Zen3は10月8日発表!
9月8日:10コア搭載のZen3 Ryzenが登場予定。新機能も搭載
9月1日:デスクトップ向けZen3 APUとZen3のIPC15%は向上?
8月23日:Zenシリーズのロードマップ情報。2021年は『Zen3』改が計画中?
8月12日:Zen3+VegaのAPUがベンチマークで出現
8月7日:デスクトップ向けRyzen 『Zen3』は5000シリーズ?
第4世代 Ryzen「Zen3」の基本情報ついて
現行の第3世代Ryzen(Zen2)の次期型に当たる第4世代Ryzen(Zen3)ですが、コードネームはVermeerと呼ばれています。
少し勘違いしやすいのが、世代と(ZenX)の番号が合わない点です。これは、第一世代Ryzenでは(Zen)、その次に第二世代Ryzenが出た際に(Zen+)となったため世代に対してZen世代-1の状態になっています。
Ryzen『Zen3』の発売は2020年11月5日
AMD Reports Q2 2020 Earnings: Notebook and Server Sales Drive a Record Quarter
7月28日に発表されたAMDの第二四半期決算発表にて、AMDのCEOであるLisa Su氏による新製品に関する発表がありました。それによると、AMDのコンシューマー向け製品開発は順調に進んでおり、Zen3及びRDNA2製品は予定通り2020年下旬に発売する予定と発表しています。
その発表通り、AMDは『Zen3』Ryzenは10月8日に発表し、Ryzen 5、Ryzen 7、Ryzen 9を11月5日に発売します。
11月5日登場時のラインアップ
11月5日に登場する段階では、16コア、12コア、8コア、6コアの4種類が登場します。現時点では、すべてのモデルで末尾に『X』が付く高性能モデルとなる予定です。
コア数は現行と変らず、定格クロックとブーストクロックは若干向上されています。一方でTDPに関しては『Zen2』と据え置きとなっています。
11月5日登場時にはかなり高い需要が見込まれておりAMDとしてはラインアップを大きく絞る事で在庫数を確保すると考えられます。
そのため、過去の噂で登場していた10コア版やRyzen 3シリーズ、無印版の登場は需要が落ち着き始める2021年初旬ごろに登場すると考えられます。
ラインアップ | コア数/スレッド数 | 定格クロック | ブーストクロック | TDP | 価格($) |
Ryzen 9 5950X | 16コア/32スレッド | 3.4GHz | 4.9GHz | 105W | 799 |
Ryzen 9 5900X | 12コア/24スレッド | 3.7GHz | 4.8GHz | 105W | 549 |
Ryzen 7 5800X | 8コア/16スレッド | 3.8GHz | 4.7GHz | 105W | 449 |
Ryzen 5 5600X | 6コア/12スレッド | 3.7GHz | 4.6GHz | 65W | 299 |
パフォーマンス
『Zen3』世代のRyzenでは、電力効率向上がメインテーマで開発を進められており、それに伴いアーキテクチャーも刷新されています。
特に、大きな変化としてはCCX(Core Complex*)が8コア化され、これによりレイテンシーが大幅に低減されています。
この変更によってIPCは19%程度向上し、Cinebench R20ではシングルコアスコアは600pt越えの631ptを発揮しています。このスコアはIntel Core i9 10900Kの540ptを大幅に超えており、Intelが第10世代Coreシリーズのアドバンテージとして挙げられていたシングルコアパフォーマンスの優位性は失われたことになります。
これにより、ゲーム時のパフォーマンスは主要なゲームでIntel Core i9 10900Kに対して-3%~21%発揮するとAMDが公式発表しています。
『Zen3』の価格帯
『Zen3』世代の価格帯は『Zen2』世代に対して50~100ドル程度(日本円にして6000円~12000円)値上がりします。これは『Zen2』世代ではIntelに対してシングルコアパフォーマンスが低いというハンディキャップがあったものの、『Zen3』ではIntel以上のパフォーマンスを叩き出しています。
そのためAMDとしては多少の値上げを実施しても十分勝負が出来ると踏んでか、多少の値上げがされています。
ラインアップ | 価格($) | 値上げ幅($) |
Ryzen 9 5950X | 799 | 100 |
Ryzen 9 3950X | 699 | Base |
Ryzen 9 5900X | 549 | 50 |
Ryzen 9 3900X | 499 | Base |
Ryzen 7 5800X | 449 | 50 |
Ryzen 7 3800X | 399 | Base |
Ryzen 5 5600X | 299 | 50 |
Ryzen 5 3600X | 249 | Base |
対応マザーボード
対応ソケットはオリジナルの『Zen』から変わらずソケットAM4を採用しています。
一方でマザーボードは500シリーズ以降であればBIOSアップデートのみで『Zen3』CPUを載せる事が可能で、一部の400シリーズマザーボードでも一部機能やパフォーマンスが制限される可能性があるものの対応は可能との事です。
Tick/TockがAMDで復活。Intelは更なる窮地へ?
AMDはZen、Zen+、Zen2そして今回のZen3と年に1回ペースでプロセス微細化やアーキテクチャーの刷新を行っています。これはまるで過去にIntelが行っていたTick/Tock開発に似ており、皮肉なことにAMDがこれに似た戦略を使って復活を遂げました。
一方で、Intel側と言うと、『Zen3』Ryzenのオンライン発表会ではRIP Intelというコメントに埋め尽くされてしまいました。特に今回の発表会ではIntelデスクトップ向けCPUの売りであったシングルコアパフォーマンスでもAMDが上回った事が事実となり、今以上にIntelのデスクトップCPUのシェアをAMDが奪うと考えられます。
これに対してIntelはTigerlake世代のアーキテクチャーを採用したデスクトップCPUであるRocket Lake-Sを導入予定ですが14nmプロセスな上に、最大コア数は8コアとされており『Zen3』との差を埋められるほどの性能を出せるか疑問です。
この状況を打破するにはIntelは2021年後半登場予定のAlder Lake-Sが期待されますが、同時にAMD側は5nmの『Zen4』を同時期にリリース予定としておりIntelはAlder Lake-Sで相当高いレベルの製品を出さないとAMDに出し抜かれてしまう可能性があります。。