コロナもですが、人種間の対立が発端になった『Black Lives Matter』活動で様々な方面からバッシングを受けるトランプ大統領。
彼は2020年の大統領選の共和党候補として出馬予定ですが、7月の世論調査では不支持59%と言う凄惨な状況です。
でも、この状況でもトランプ大統領がまた勝つ流れが出来つつあるのです。
今回はその理由について紹介しようと思います。
2020年、重要な年に散々なトランプ大統領
2020年はトランプ大統領にとって、今年は二期目をかけた大統領選があります。しかし、そんな彼にとって重要な今年は年初から2つの大きな問題が降りかかっています。
- 新型コロナによる経済活動停滞と歯止めがかからない感染者数
- 白人警官が黒人男性の首を絞めて殺害したのを発端とした"Black Lives Matter"活動
この2つは代表的な問題ですが常に粗相な発言が多いトランプ氏は支持率は7月時点で支持39%、不支持59%と支持率の低下が顕著になり始めています。
ただ、こんな状態でもトランプ氏が勝つ可能性があるのではと私は考えています。
異物を許さない今のアメリカ社会
アメリカでは白人警官の黒人殺害事件を発端に、人種問題への関心が非常に高まっています。各地でデモや、SNSでの盛り上がり積極的がそれを物語っています。そんな状況でも配慮が無いトランプ氏は『対立を招いている』としてこの活動の『敵』として扱われ、対局のバイデン氏を支持を訴える動きになっています。
ただ、この動きの怖い所はどんな理由であれ、トランプ氏を評価するような発言をすれば活動家や人種問題の関心が異常に高い身近な人に目を付けられ「差別主義者」とレッテルを張られてしまう事です。
多くの人はトランプ氏の評価できる一面もあると考えています。しかし、「差別主義者」のレッテルを張られるのは嫌うので、SNSや公の場などでトランプ氏の評価できる事は言わず、バイデン氏の評価できるポイントを発言する人が多いです。
これは個人のみならず企業も同じです。
企業はそのようなレッテル張りをされては企業活動へ影響が出るため、トランプを支持したり支援する材料を提供する企業やマスコミとは距離を置き始めています。
その最たる例がトランプ氏の発言を許してきていたFacebookへ、大手企業が広告出稿を取りやめている現象です。
Facebookは表現の自由を重視する姿勢を貫いてきました。しかし、その姿勢がトランプ氏の過激発言を発信する場になっていたことから、活動家らを中心に『Facebookは人種差別を助長している』と今までにない規模で非難を浴びています。
その非難の道連れにされたくない企業がターゲットにされる前に広告出稿の取りやめを大々的にアピールしているのです。
この動きは、Facebookのみならず、マスコミでも見られます。特にテレビなどではトランプ氏を評価するニュースを見ることは非常に少ないです。理由はやはり、非難を浴びたくないからです。
このように、企業、SNS、個人までの多くの人は今は『反トランプ』な姿勢を前面に出さなければならない状態に陥っています。大統領選で一番重要な政策についての議論は置いてけぼりです。
状況が2016年に似てきた?またトランプへの流れができる?
大統領選の本質を見失っている事や、盲目的にバイデン氏を支持する雰囲気に嫌気がさしている人など人種問題以外にも関心がある人は自ずとトランプ氏について何一つ語る事が許されない状況に嫌気がさしています。
本音を語れない環境に窮屈さ、ある話題ばかりに注目が集まる状況、政策ではなく重箱の隅をつつく様な指摘をして非難する。
2020年の今のアメリカは2016年とそっくりの状況なのです。
当時、トランプ氏の横着で配慮の無い発言や公約はリベラル層が多い若者を中心にSNSで非難が沸き起こっていました。また、メディアも一斉にトランプ氏を非難する報道を流し、いかに彼が大統領にふさわしくないかを論じていました。
大統領選の本質である各陣の政策については置いてけぼりです。
同時にSNS上ではトランプ氏を評価する発言をしただけでSNSを徘徊する反トランプ派に袋叩きに合う異常さです。
少しでも客観的にかつ冷静に見られる人たちはこの動きにうんざりとするのです。
この異様な光景に危機感を抱く人、言論の自由が無い窮屈な世界に拒否感を持つ人、本質から逸れている事に危機感を持つ人、反トランプへ誘導するのをきな臭く感じる人。
それぞれ様々な考えを持ちつつ、大声を出して主張する人達に反発心を抱いた結果、消去法的に2016年の大統領選はトランプ氏に票が集まったと考えられます。
実際にトランプ氏は就任以来、支持率が6割を超えた事はCNNやPoliticoなど有名どころが集める世論調査ではありません。これは消去法で選ばれた人に良くある事です。
この世は声を上げない人がほとんど。
2020年現在起きているBlack Lives Matter活動である言葉がSNSで話題に上がりました。
「Silence is Violence」沈黙は暴力だ。意味:声を上げない事は暴力を黙認しているも同然。
大勢かつ身近な人がSNSで書き込んでいたらやむを得ず今回の抗議活動を肯定する発言や、反トランプ的な発言をするでしょう。なぜなら仲間外れにされたくないから。
でも、実際は声を上げない人がほとんどです。SNSで発言している人は数%です。
そして声を上げない人の多くは別に暴力を容認している訳ではなく、ただ黙って考えているのです。
しかし、今は『黙って考える事』さえ綺麗ごとを並べて否定されています。
もし黙らず、考えた結果を発言しても人種問題の関心が高い人達の考えにそぐわなければ議論の余地なく集団で否定されます。
このような事が頻発している今、目立たないだけで声を上げない人達の多くは彼らが望む世界とは真逆の世界を望むようになります。
2016年の大統領選のように窮屈さにうんざりして彼らに対して反発心を持つのです。
そんな反発心が有権者の多くが消去法的な発想になり、2020年もトランプ氏を選ぶキッカケが作られてしまうのです。