各社の自動ブレーキ警告音を徹底比較【国内前編】

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最近は新車を買おうと思うと自動ブレーキが搭載されていると思いますが、この自動ブレーキが作動する際の警報音は各社バラバラです。

今回はそんな自動ブレーキに関する話と、各メーカーで代表的な車の警告音についてまとめてみました。 

長くなるので、ここでは自動ブレーキに関する話とトヨタ、日産、三菱、ホンダを紹介します。

国産メーカーでもスバル、マツダ、スズキ、ダイハツは【国内後編】で紹介します。

テスラ、BMW、Audi、メルセデスベンツなどは【海外メーカー編】で紹介します。せっかくなので音の比較以外に、海外メーカーの【音を鳴らす】事に対する思想の違いについても触れて行きます。

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自動ブレーキのルールはあるけど・・・UN協定規則 R152 AEBS

自動ブレーキの装備や性能要件などに関するルールというモノは最近までありませんでした。そんな中、2019年6月のWP29と言われるグループで自動ブレーキの性能要件を定める協定規則R152 AEBSが採択されました。

https://www.unece.org/fileadmin/DAM/trans/doc/2019/wp29/ECE-TRANS-WP29-2019-61e.pdf

簡単に内容を言うと自動車及び人に対する自動ブレーキの性能やドライバーへの警告方法を定めています。

以下が主な内容です。

  • ドライバーへの衝突警告は遅くとも衝突の0.8秒前に発する(0.8秒より前に衝突の予測不可の場合は検知後直ちに警告すること)
  • 警告方法は音響、触覚又は光学の内2つ以上を使う
  • 40km/hで走行中、前方に停車中の車への追突を回避*
  • 60km/hで走行中、前方を20km/hで走行中の車への追突を回避。*
  • 30km/hで走行中、時速5km/hで横断する歩行者への衝突を回避。*
  • 車と車の間を4.5m開けた場所で誤検知することなく通過。
  • 車両と同一方向に向いている歩行者の側面1mを誤検知なく通過。

*衝突回避試験はGVW(車両が耐えられる最大重量を積んだ状態)で実施する必要があります。

日本で生産される新型車は2021年11月から、継続生産車**は2025年12月から上記の性能要件を満たす必要があります。

**軽トラックのみ2027年9月から義務化

ただ、法規の内容を見てもらうと分かる通り、すごく基本的な事しか書かれていません。警告方法では音か触覚かランプの内、どれか2つ以上使う以外は自由です。そのため、今から紹介するように、各社バラバラで個性的な警告音が採用されています。

国産メーカー(前編)

トヨタ・レクサス

トヨタ ノア(2016年試験)

レクサスNX(2019年試験)

 警告タイミングは衝突する0.8秒前よりかなり前です。「ピーピーピー」という断続音と画面に赤い枠で「ブレーキ」と大きく書かれていますので警告方法は音響と光学です。

音に関しては、長音の断続音でシンプルに分かりやすい一方で、個人的な感想を言うと音の変化が無いため安い時計のアラームのようで好みではありません。

それより気になったのが500万以上するレクサスに300万前後のノアの音を流用している事です。恐らくメーターの内部部品は共有しているのでしょう。コストダウンするなら当たり前です。

日産(三菱の軽自動車含む)

デイズ(三菱eKクロス・ワゴン)

セレナ

日産も警告タイミングは衝突する0.8秒前より前で、音と光による警告です。最初はピッピッピッという短音、その後長音に切り替わります。これは衝突警告段階とブレーキ作動段階で音が分けているためです。

車が急に減速した際に「なぜ減速したか?」を分かりやすくするためだと考えられます。

衝突警報段階では少しボリュームの小さい短音に見えるかわからないほどの小さな黄色アイコンと控えめで気付きにくいのが気になります。一方で、ブレーキ作動時はいい意味で騒がしく、画面表示は危険が迫っていると感じやすい赤と白の点滅が目立っていいと思います。

三菱

エクリプスクロス

アウトランダーPHEV

こちらも警告タイミングは衝突する0.8秒前よりかなり前で、音と光による警告です。

日産と同じように衝突警告とブレーキ作動時で音を分けていますが、音の出し方は真逆で最初は長音、ブレーキ作動時は短音の連続音に切り替わります。

長音の断続音はトヨタに似ていてシンプルで気付きやすいですが、黄色で囲った「ブレーキ」表示はインパクトが薄いです。ブレーキ作動時の短音の連続音は作動状況が分かりやすくいいと思います。

エクリプスクロスとアウトランダーPHEVで微妙に音程が違うのはメーターのサプライヤーが違うのか、車のデザインや特徴に合わせているのかよくわかりません。

ホンダ

N-WGN

 CR-V

警告タイミングは衝突する0.8秒前よりかなり前で、音と光による警告です。

トヨタと同じように、衝突警告とブレーキ作動は分けないタイプです。

独特な音色は安っぽさはないのでいいと思います。また気付きやすいと思います。

黄色で囲った「車両アイコンに!」の点滅表示も目立っています。

N-WGNなのですが、動画撮影のアングルが悪いのか定かではありませんが、画面が小さすぎるように思いますが使い勝手としては気にならないレベルなのかな?

まとめ

長くなるりましたので、ここでは自動ブレーキの概要とトヨタ、日産、三菱、ホンダを紹介しました。

冒頭でも書きましたが、国産メーカーでもスバル、マツダ、スズキ、ダイハツは【国内後編】で紹介、テスラ、BMW、Audi、メルセデスベンツは【海外メーカー編】で紹介します。せっかくなので音の比較以外に、海外メーカーの【音を鳴らす】事に対する思想の違いも併せて書きます。

 

各社バラバラな音を発する自動ブレーキ警告音ですが、それは法規で特に規定がされていない事に起因しています。ただ、動画を見てわかる通り衝突警告のタイミングは法規の下限値ギリギリな車は無く、かなり余裕を持たせてあります。

ただ、音がしても何の音か理解できていないと自分で危険を認知してブレーキを踏むタイミングも遅れてしまいます。ですので自分の車(メーカー)はどんな警告音がするのか事前に把握することで、より素早く危機に反応ができ、安全運転に繋がるので是非、自分の乗る車がどんな音を発するのか事前に把握するようにしてみてください。

 

余談ですが、この試験が行われるのは茨木県にあるJARI城里テストセンターと言われるところです。かなり山奥ですが、三菱エクリプスクロスの試験時映像のように非常に綺麗な空模様の時に路面にうっすらと水を張る低μ路と言う場所に訪れるとまるでウユニ塩湖のような景色が見れます。(写真を撮りたかったですが試験かつテスト車が走っていたため無理でした)