RAV4 PHVは期待外れかもしれない

最近RAV4 PHV (Plug-in Hybrid)が日本で発表され、細かな仕様が明らかになったのですが、仕様を見て「凄い!」となったものの冷静に考え始めると「期待外れかもしれない」と感じたのでその理由を説明します。もちろん、試乗前なので自分の想像を越えるポテンシャルを秘めてる可能性もあります。

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超ハイスペックで死角なし?

このRAV4 PHVですが、システム最高出力が306馬力で0-100km/hが6秒台という攻めた仕様でバッテリー容量も18.1kw/hと大容量で航続距離WLTCで95kmとなっています。

(同等クラスの現行アウトランダーPHEVは13.8kw/hバッテリーでWLTC 57.6km)

このRAV4 PHV、スペックを眺めていると燃費も良くて走りもよさそう。正に死角なしの車と感じる人も多そうですが、実際の使い方という観点で考えてみると疑問に思えてくる仕様が多々あります。

まず、HVの仕様はプリウスPHVやRAV4 HVと同じように、バッテリー残量がある時は、低速時は主に電気で走り、高速時は主がエンジンでモーターがアシストという挙動のはずです。バッテリー残量低下時には、低速時はモーターが主で走るものの、電力の発電・充電のためにエンジンが作動します。高速時は同じです。

この仕様ですが、燃費のために、バッテリーへの充電は最小限に留めます。ユーザーとしても、走行に不要なのに、ガソリンを電気に変えて欲しくはないはずです。

ただ、この仕様がRAV4 PHV最大の売りでもあるパフォーマンスに大きな悪影響を与えるかもしれません。

0-100km/h 6秒加速は常時発揮できない?

冒頭で、システム最高出力が306馬力で0-100 6秒台と書きました。非常に魅力的です。しかし、フロントとリアモーターに大量の電力を送り込むにはバッテリー充電量が最低でも40%程度維持されていなければ発揮できないと考えられます。

つまり、ユーザーが好きなタイミングで0-100 6秒のフル加速をしようと思うと大体はできない状況になります。じゃぁ充電すればよいと考える人も多いですがそうは行かないです。

RAV4 PHVにはChargeモードがあります。エンジンを回してバッテリーを充電するモードですがすぐに充電はできず、バッテリー充電量が最小から40%台に乗るまでは15分程度はかかるはず。加速する状況を予測してChargeモードはあまり実用的ではないです。

一応、バッテリーを任意の充電量で温存するHVモードがRAV4 PHVにも搭載されているはずですが加速のために燃費をスポイルする事になるので微妙です。

ただ、トヨタがここまで大々的に宣伝するからには、この辺りの事はしっかりと対策が講じられている可能性が高いとも思いますので、これは試乗した際に確認してみたいと思います。

またこの0-100km/h 6秒加速を発揮するのに出力が肝心ですが、高速などで追い越し時に利用する中間加速(80-120フル加速)などでもずっと同じ出力が発揮できるのか気になるところです。なぜなら80-120へのフル加速は非常にバッテリーへの負担が大きいため何回もやっているとバッテリーがオーバーヒートしてしまいますのでこの辺の処理をどのようにしているか気になる所です。

災害に強いPHVなのにCHAdeMO非搭載

RAV4 PHVで一番ショックだったのはCHAdeMO(急速充電)非搭載という点です。PHVに乗る理由は家や職場で充電し、身近な生活圏は電気だけで走るというコンセプトがありますが、自宅へ新たに充電器設置するのには大体20~30万程度かかります。この価格であれば少し手を伸ばせばV2Hを設置する選択肢も出てきてしまいます。このV2Hとは車の充放電をコントロールする機器の事で、ソーラーパネルなどが付いていれば昼間に発電した電力をPHVに貯め、夜は放電するという事を自動でするシステムです。この機器は災害時はPHVから電気を取り出せ、家へ直接電気を送るため、V2H機器を車につなぐだけで電気のある普通の生活ができます。

こんな節約や災害時に強い味方になるV2H機器は今では40~50万円程度と普通充電器の2倍しないぐらいで買えてしまうようになっています。

そして、最近デマンドレスポンスという機能が研究されています。簡単に言うと電気が足りない時に充電された車から電気を取り出し、電力網へ送り安定させる対価としてインセンティブが払われる仕組みで近いうちに実用化されます。

これらの機能を使うには、RAV4 PHVには無いCHAdeMOが必須となるのです。

試乗前の事前評価は自分なりには微妙。。。

正直、パフォーマンス、機能併せて考えるとRAV4 HVとそこまで変わらないように見えます。(機能はCHAdeMO搭載のプリウスPHVの方が上かも・・・)

ネガティブな事ばかり書いていますが決してアンチトヨタとかそういうのではありません。ただ正直、期待値が高かったためか色々知ったり考えるとガッカリするというか・・・

当たり前ですが、まだ試乗も何もしていないので改めて試乗したら細かな仕様や本当の評価を書こうと思っています。

一番安全な車はアメリカ仕様。なぜか説明します

最近、モデルチェンジされる度に大型化していく車ですが、ご存じの方も多いと思いますが、これはほぼすべての車が世界で売れることを目的にしているため、発生している事です。 このように世界中で売る車の事を「世界戦略車」と呼びます。

これは、車両開発には膨大なコスト(約300から500億円程度)と時間(最低2.5年)がかかるため、何台も同時開発ができないため取られる戦法です。

(ちなみにこの開発コストは年を追うごとにどんどん上がっていっていますがこの事については別の記事で書こうと思います)

そんな世界戦略車ですが、地域の特性に合わせて仕様が異なることが多いです。大きくわけるとアメリカ仕様、欧州・日本仕様、中国仕様、その他の国仕様で分かれていますがこの中で実は、

アメリカ仕様が一番安全な車に出来上がっています。

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テスラ、BMW、Audi、メルセデスベンツなどは【海外メーカー編】で紹介します。せっかくなので音の比較以外に、海外メーカーの【音を鳴らす】事に対する思想の違いについても触れて行きます。

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